
2019.03.07
町会様からご依頼をいただき、元横山町山車の屋根改修工事を実施しました。
元横山町山車は、大正11年(1922年)に創建された、地域の伝統と文化を象徴するとても貴重な山車です。
特に、屋根の構造が八棟造りという複雑な形式であり、江戸時代から受け継がれる繊細で美しい設計が特徴です。
八棟造りは、日光東照宮などの歴史的建築にも見られる格式高い屋根の形式であり、その優雅さと技術の粋を今に伝えています。
今回の工事は、屋根全解体を伴う大規模な改修となりました。
複雑な八棟造りの屋根部分を丁寧に解体し、新たに選定した部材を用いて、伝統的な技法を踏襲し、構造の精巧さを忠実に再現しながら復元しました。
山車に施されていた彫刻は、大正時代に製作された貴重なものであり、その保存状態も良好でした。
また、山車の囃子台天井に施されていた名工「佐藤光重」氏による、大変貴重な巻き龍の彫刻も、現在まで大切に保存されていました。
これらの彫刻はそのままの形で活用し、山車の豪華さと歴史的価値を損なうことなく復元いたしました。
元横山町山車は、その独特な八棟造りの複雑な屋根と、豪華な彫刻が相まって、とても華やかな仕上がりの山車となっています。
改修により当時の美しさと精巧さを復元することができ、多くの方々からお喜びいただけ大変光栄でした。